美博ノート

「アリバロ尖底壷」

古代中南米文明展(光ミュージアム)

1430~1533年(インカ帝国時代)、同館蔵

1430~1533年(インカ帝国時代)、同館蔵

 15~16世紀にかけて、南米で栄えたインカ帝国。高度な農耕、土木技術を持ち、空中都市と呼ばれるマチュピチュのような高地でも、灌漑用水路や段々畑を活用して農業を営んでいた。

 そうした用水路から水をくんで運んだり、農作物で造った酒を保存したりしていたのが、写真のような土器。両脇の取っ手にひもをかけて背負い、とがった底部を地面に突き刺して貯蔵していたようだ。

 意匠はインカに多く見られる幾何学文様で、顔料にベンガラを用い、素焼きしている。中心の飾りはリャマがモチーフ。当時、人力で奉仕することが神への畏敬を示すと考えられ、車輪は発達せず、大型家畜は存在しなかった。資材運搬に使われた代表的な動物がリャマ。学芸員の松本庸子さんは「リャマは身近な動物で親しみがあったのでしょう。土器にも飾りをつけて楽しんだようです」と話す。

(2019年9月24日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

「美博ノート」の新着記事 一覧を見る
「六月の光」

「六月の光」

異国の地で「描くこと」と向き合い続けた画家・木村忠太(1917~87)。36歳で渡仏して以来、帰国したのは一度だけだが、フランス語は全く話せなかったという。

「セーヌ河畔」

「セーヌ河畔」

ヤマザキマザック美術館の創立者、故・山崎照幸氏は、画家の木村忠太(1917~87)を高く評価し、油彩の大作3点を購入した。

「デュルシュ通り」

「デュルシュ通り」

フランスで暮らし、南仏やパリの風景を描きながら、光の表現を追究した画家・木村忠太(1917~87)。

「呼ぶ」

「呼ぶ」

伊勢神宮に奉納された作品は神宮美術館に所蔵されるものの、あくまで神への献納品。「当館に納められること自体が、祈りの行為に基づきます」と学芸員の瀬戸裕子さんは話す。

新着コラム 一覧を見る
『男はつらいよ』

シネマNEWS

シリーズ史上初!『男はつらいよ』入場者プレゼントで豪華3種ポストカードセット!!

観客動員数が100万人を突破!大ヒットを記念して、『男はつらいよ』シリーズ史上初となる入場者プレゼントの実施が決定した。

世田谷美術館

気になる一品

世田谷美術館

「素朴派」の絵画を多く収蔵する世田谷美術館。ショップでは、素朴派を代表する仏のアンリ・ルソー「フリュマンス・ビッシュの肖像」をモチーフにした「ルソースタンドメッセージカード」が人気だ。

段ボールSL 島英雄作(熊本県南関町)

アートリップ

段ボールSL
島英雄作(熊本県南関町)

千平方メートルの屋内展示場に子どもたちの歓声が響く。その指さす先にあるのは段ボール製の蒸気機関車(SL)「D51」だ。全長20、幅3、高さ4メートルの実物大で、車輪を動かす装置など1700の部品はすべて段ボール。精巧に再現され、今にも動き出しそうだ。

「きかんしゃトーマス」

シネマNEWS

「きかんしゃトーマス」劇場版最新作、場面写真解禁!前売り特典も決定!

2020年には原作誕生から75周年を迎え、全世界で人気を博す「きかんしゃトーマス」。

♪プレゼント♪

マイページへ 新規会員登録

プレゼント応募時に1度会員登録をされると、以後はパスワードなどの入力だけでご応募いただけます。