上絵金彩綾棒踊(あやぼうおどり)図花瓶
山吹色から青色へ。本作品にも見られる鮮やかなグラデーションを得意としたのは明治時代に活躍した京都の窯元・九代帯山与兵衛(1856~1922)。技巧的な造形と華麗な色使いが、海外で高い評価を得た。
愛知県のほぼ中央に位置する岡崎市。南北に矢作川、東西に東海道が貫く要地として古くから人が暮らし、独自の歴史と文化が培われてきた。
6世紀中ごろ~後半ごろに築かれた市北部の岩津第1号古墳では装飾が施された須恵器が多数出土している。
朝鮮半島から伝わったとみられる青灰色の須恵器は窯で高温で焼成され、従来の野焼きの土器に比べ硬質。近畿や中国地方でも出土する装飾須恵器は地域によって装飾に特色があり、岡崎を含む伊勢湾沿岸地域ではふたのつまみに施された鳥をかたどった装飾が特徴だ。
一つの古墳からこれだけ多くの装飾須恵器が出土する例はほとんどないという。当時の最先端技術だったことを考えると、古墳の被葬者は中央政権とつながりを持っていたか、朝鮮半島の文化を享受できた特権階級に属したと考えられる。