読んでたのしい、当たってうれしい。

美博ノート

アリ地獄(480枚組)

「布施知子 ORIGAMI 紙の鼓動」ヤマザキマザック美術館

洋紙(マーメイドリップル) 直径38.0センチ 2019年 作家蔵

 多種多様な造形美を生み出す折り紙作家・布施知子。国内外で展覧会を開くほか、手がけた折り紙の指南書も数多い。本作のように複数のパーツを組み合わせた「ユニット折り紙」の第一人者と呼ばれている。

 布施は1951年、新潟県生まれ。折り紙との出会いは小学生時代、入院中にユリの折り方を教わったことから。薬包紙でユリを折り、それらをつないだくす玉を作ったという。
 本作は、伝統的なくす玉のような球形。480枚もの同形パーツを組み上げ、無数の巣穴を表現した。「何百枚も同じ形を折り、それらをぴたりと合わせて立体にする。想像するだけで気が遠くなるような作業から、緻密(ちみつ)で華やかな作品が生まれている」と、ヤマザキマザック美術館主任学芸員の吉村有子さんは紹介する。
 会場では本作のほか、816枚組みや1080枚組みのユニット折り紙作品も展示している。

 

(記事・画像の無断転載・複製を禁じます。すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

美博ノートの新着記事

  • あすか・夏 青々とした夏草の草原を、鳥の一群が渡る。

  • 青い白い鳥 岩倉壽と同年代で、高校、大学と教壇に立ちながら日本画の制作を続けた烏頭尾精(1932~)。

  • 蕪(かぶら)と茄子(なす) 戦後の京都画壇を代表する山口華楊(かよう)に学んだ日本画家、岩倉壽が亡くなる3年前に描いた本作。

  • 静日 淡い色調の画面を眺めていると、手前に花が、その奥に3羽の鳥が見えてくる。

新着コラム