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美博ノート

上絵武者図陶板(うわえむしゃずとうばん) 

「色褪せない日本の美 陶板展」横山美術館

三代加藤善治 明治時代

 陶磁器の板を平らに焼くのは至難の業だ。溶けた釉薬(ゆう・やく)で窯にくっついたり、ゆがんだりしないよう、いくつもの団子形の窯道具の上にのせて焼成するため、裏には丸い跡がつく。

 瀬戸の名工、三代加藤善治の陶板には、その跡がない。薄いものだと厚さは3ミリしかないが、真っ平らだ。その技法は本人しか知らず、いまだ解明されていない。
 よろいの色や金彩が鮮やかな本作。瀬戸で焼いた加藤の板に、横浜で絵付けが施されたと考えられる。1色ずつ色をのせ、その絵の具に適した温度で焼く工程を繰り返す上絵付けの技法で作られた。
 武者や和装の婦人などの日本的な図案は、「ジャポニスムが席巻していた当時の欧州で人気だった」と学芸員の原久仁子さん。裏には、「16th century Japanese samurai(16世紀の日本の侍)」と読める筆跡がある。本展では、一度は海を渡った陶板を、再び故郷で見ることができる。

 

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