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気になる一品

「かるかやマトリョーシカ」(サントリー美術館)

外側は高さ11センチ、中の人形は約3.5センチ。キジは親子愛の象徴、五輪塔は父母と子3人への供養の気持ち

 生き別れの親子がすれ違ったまま一生を終える説経節「刈萱(かる・かや)」。室町時代の絵入本を収蔵する美術館が、あの世では仲良く暮らしてほしいと願いを込めて作ったのが「かるかやマトリョーシカ」(8250円)。菩薩(ぼ・さつ)様の中に父の刈萱道心とその妻、子の石童丸、キジ、五輪塔が収まっている。

 「悲しい物語だからこそかわいく見せたいと、試作を重ねてほほえんだ表情にした」と、学芸員とともに開発に携わったショップの稲垣春江さん。素朴な絵で人気が高い作品の魅力を、眺めて思い出してみては。

 

 ◆東京都港区赤坂9丁目7の4東京ミッドタウンガレリア3階(☎03・3479・8600)。[前]10時~[後]6時([金]は8時まで、入館は30分前まで)。[火]、展示替え期間、年末年始休み。

 

サントリー美術館
https://www.suntory.co.jp/sma/

(記事・画像の無断転載・複製を禁じます。すべての情報は5月13日紙面掲載時のものです。商品は売り切れる場合もあるので改めてご確認ください)

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