街の十八番

徳太樓@浅草

シンプルに作る、きんつば

店舗前に立つ3代目の増田善一(よしかず)さん(75)と妻で女将の真理さん

店舗前に立つ3代目の増田善一(よしかず)さん(75)と妻で女将の真理さん

  • 店舗前に立つ3代目の増田善一(よしかず)さん(75)と妻で女将の真理さん
  • 店舗の2階で和菓子を作っている。しゃもじですくったタネをつけて、きんつばを焼く。「きんつば」は1個135円

 浅草寺の北側にある和菓子屋「徳太樓(ろう)」。1903(明治36)年創業。看板商品は、甘さが控えめで、中が透き通って見える薄皮の「きんつば」だ。初代の父は、徳川家と関わりが深かった群馬県の館林藩の江戸詰藩士だった。維新後に商売を始め、花柳界のお土産を作って売ろうと、息子を和菓子屋に奉公に出したのが店の始まり。

 きんつばの由来は刀のつば。「新 和菓子噺(ばなし)」(藪光生(やぶみつお)著)によると、大阪で発祥した時は丸形だった。江戸に伝わってから、四角形に変わっていったという。

 「材料や工程は、これ以上できないくらいシンプルです」と4代目の増田有希人(ゆきと)さん(44)。まず、小豆を砂糖、水あめと一緒に煮る。次に寒天を加えて冷やして固め、四角く切る。小麦粉と食塩だけで作る皮のタネはしゃもじですくい、薄皮になるようにすばやく餡(あん)につけて焼く。

 「先代は『うちの商品はおやつなんだから、デパートには出さない』と言い張っていましたが、今はデパートでも人気です」と女将(おかみ)の真理さん(74)は話す。

(文・写真 渋谷唯子)


 ◆東京都台東区浅草3の36の2(TEL03・3874・4073)。午前10時~午後6時((土)(祝)は5時まで)。(日)休み(行事により営業)。浅草駅。

(2018年11月9日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

「街の十八番」の新着記事 一覧を見る
水戸元祖 天狗納豆@水戸

水戸元祖 天狗納豆@水戸

茨城といえば納豆というイメージをつくったのが水戸の「天狗(てんぐ)納豆」。

大和屋@日本橋

大和屋@日本橋

東京・日本橋、三越前に店を構えるかつお節専門店。江戸末期、新潟出身の初代が、魚河岸のあった日本橋で商いを始めた。

佐野造船所@東京・潮見

佐野造船所@東京・潮見

水都・江戸で物流を担ったのは木造船だった。かつて、和船をつくっていた船大工は今はほとんど姿を消した。佐野造船所は、船大工の職人技を代々受け継ぎながら生き延びてきた。

天真正伝香取神道流本部道場@千葉・香取

天真正伝香取神道流本部道場@千葉・香取

「エイ」「ヤー!」。勇ましいかけ声と木刀の打ち合う音が響く。千葉県香取市、香取神宮のほど近く。約600年連綿と伝えられてきた古武術、天真正伝(しょうでん)香取神道流の本部道場だ。

新着コラム 一覧を見る
明治学院大学13号館(東京都港区)

建モノがたり

明治学院大学13号館(東京都港区)

キャンパスの奥まった一角にある箱のような建物。木の格子にすっぽり覆われたこれは何?

NTTインターコミュニケーション・センター〔ICC〕

ロゴ散歩

NTTインターコミュニケーション・センター〔ICC〕

電話事業100周年を記念して1997年にオープンしたNTTインターコミュニケーション・センター〔ICC〕。

薔薇(ばら)

美博ノート

薔薇(ばら)

花瓶いっぱいに咲きほこるバラ。バラは和田英作(1874~1959)が好んで描いたモチーフだ。

十倉金之作 昭和初期 43.5×24×31.5センチ

私のイチオシコレクション

八雲町郷土資料館・木彫り熊資料館

北海道土産として知られる木彫り熊は函館の北約70キロに位置する八雲町で始まりました。

お知らせ(更新情報)

■新型コロナウイルス感染症拡大を受け、開催を中止・延期するイベント、プレゼントがございます。

中止を決定したものにつきましては、その都度情報を更新し、公開を取り下げます。
なお、中止・延期となったイベント等の詳細につきましては主催者にお問い合わせいただきますようお願いいたします。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願いいたします。



♪プレゼント♪

♪プレゼント♪

♪プレゼント♪

♪プレゼント♪

♪プレゼント♪

♪プレゼント♪

マイページへ 新規会員登録

プレゼント応募時に1度会員登録をされると、以後はパスワードなどの入力だけでご応募いただけます。