街の十八番

よのや櫛舗@浅草

丸みつけた「よのや型」のつげ櫛

店主の悠さんと妻の有都さん。店頭には、「本つげとかし櫛 5寸」2万2千円、「本つげかんざし 扇型」2万4800円などが並ぶ

店主の悠さんと妻の有都さん。店頭には、「本つげとかし櫛 5寸」2万2千円、「本つげかんざし 扇型」2万4800円などが並ぶ

  • 店主の悠さんと妻の有都さん。店頭には、「本つげとかし櫛 5寸」2万2千円、「本つげかんざし 扇型」2万4800円などが並ぶ
  • 歯にやすりをかける

 観光客でにぎわう浅草の伝法院通りに、全国に10軒もないという本つげ櫛(ぐし)の専門店がある。

 櫛が一般的に普及したのは明治の文明開化以降のこと。それまでは、髪結いや床山など、専門家の仕事道具だった。1717(享保2)年、現在の文京区湯島で創業し、個人の需要が増え始めた大正初期、今の場所に店を構えた。4代目の斎藤悠(ゆたか)さん(38)は、15年前に先代のおじの後を継いだ。共に店を切り盛りする妻の有都(ゆづ)さん(37)は幼なじみだ。

 「よのや型」とよばれる丸みをつけた形が特徴。鹿児島産の本つげを半年間釜でいぶして水分を抜き、更に半年間空気にあてる。加工後、店の作業場では、トクサを貼り付けた「歯擦り棒」で櫛の歯にやすりをかけ、ツバキ油に4~7日間漬け込んで仕上げる。堅くて丈夫。なめらかな質感で、静電気が起きにくいという。

 有都さんの提案で、店頭で実際に商品を試せるようにした。斎藤さんは「納得してから買いたい、という時代ですから。お客様との会話を大切にすることは、今も変わりません」。

(文・写真 秦れんな)


 ◆東京都台東区浅草1の37の10。(TEL03・3844・1755)。午前10時半~午後6時。(水)と12月31日休み。1月1日~3日は正午より営業。浅草駅。

(2018年12月28日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

「街の十八番」の新着記事 一覧を見る
水戸元祖 天狗納豆@水戸

水戸元祖 天狗納豆@水戸

茨城といえば納豆というイメージをつくったのが水戸の「天狗(てんぐ)納豆」。

大和屋@日本橋

大和屋@日本橋

東京・日本橋、三越前に店を構えるかつお節専門店。江戸末期、新潟出身の初代が、魚河岸のあった日本橋で商いを始めた。

佐野造船所@東京・潮見

佐野造船所@東京・潮見

水都・江戸で物流を担ったのは木造船だった。かつて、和船をつくっていた船大工は今はほとんど姿を消した。佐野造船所は、船大工の職人技を代々受け継ぎながら生き延びてきた。

天真正伝香取神道流本部道場@千葉・香取

天真正伝香取神道流本部道場@千葉・香取

「エイ」「ヤー!」。勇ましいかけ声と木刀の打ち合う音が響く。千葉県香取市、香取神宮のほど近く。約600年連綿と伝えられてきた古武術、天真正伝(しょうでん)香取神道流の本部道場だ。

新着コラム 一覧を見る
竹内浩一さん(日本画家) 「牛の鈴音」(2008年)

私の描くグッとムービー

竹内浩一さん(日本画家)
「牛の鈴音」(2008年)

韓国農村部の四季の中で、79歳の寡黙な農夫と、老いた一頭の牛との生活を淡々と撮影したドキュメンタリーです。

ブームの卵

ブームの卵

7月19日 注目グッズ
「Pen」など

手に持つとひんやり冷たくて独特な手触り、心地よい重量感……。「Pen」は、ペン軸がコンクリート製のボールペンなんだ。

「3doo(サンドウ)」のジェラート(ベルガモット紅茶&ベリーチップ)

オトコの別腹

田川隼嗣さん
「3doo(サンドウ)」のジェラート(ベルガモット紅茶&ベリーチップ)

新しいもの好きの性格なので、チョコレートとか王道のものは、つい外したくなっちゃって。それなら、紅茶味にいってみようと思ったのがきっかけ。

「辛麺 華火」の辛麺

おんなのイケ麺(めん)

森七菜さん
「辛麺 華火」の辛麺

辛党です。甘いものも好きですけど、あんまり食べ続けられなくて。でも、辛いものは無限に食べられるんです。

♪プレゼント♪

マイページへ 新規会員登録

プレゼント応募時に1度会員登録をされると、以後はパスワードなどの入力だけでご応募いただけます。