街の十八番

柴沼醤油醸造@茨城・土浦

紫峰のぞむ地で木桶仕込み

直径約2メートル、高さ2・5メートルの木桶が並ぶ蔵に立つ柴沼さん(左)と職人の鈴木孝平さん(右)

直径約2メートル、高さ2・5メートルの木桶が並ぶ蔵に立つ柴沼さん(左)と職人の鈴木孝平さん(右)

  • 直径約2メートル、高さ2・5メートルの木桶が並ぶ蔵に立つ柴沼さん(左)と職人の鈴木孝平さん(右)
  • 筑波山の別称を商品名にした「紫峰しょうゆ」(1リットル、734円)が人気

 江戸時代、土浦藩が製造を奨励し、江戸中期には約20の醤油(しょうゆ)蔵があったという土浦。江戸の風俗を記録した「守貞謾稿(もりさだまんこう)」には、野田(千葉県野田市)と並び、土浦のものは質が良いと書かれている。

 山肌の色合いから「紫峰(しほう)」の別称を持つ筑波山をのぞむ桜川沿いに、元禄元(1688)年創業の柴沼醤油醸造がある。元は穀物問屋で、銚子(千葉県銚子市)の醤油蔵に原料の大豆と小麦を卸していた。「どんどん注文が来たんでしょう。そんなにもうかるならばと、自ら醤油醸造を始めたようです」と17代目の柴沼和広さん(68)は話す。

 今も明治、大正時代から受け継ぐ「木桶(きおけ)」67本で醸造を続けている。木桶は約2・5メートルの杉板を円状に組み合わせてできている。管理が難しいが、桶にすみ着いた菌が働き、蔵独自の味や香りの決め手になる。セラミックで濾過(ろか)した生の「貴醤油」や、かつおだしとみりんを加えた「紫峰しょうゆ」など木桶仕込みの商品をそろえる。柴沼さんは、「好みの合うファンを増やしていきたい」と話す。

(文・写真 井上優子)


 ◆茨城県土浦市虫掛374(TEL029・821・2400)。午前8時~午後5時。(土)(日)(祝)休み。土浦駅からバス。

(2019年1月18日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

「街の十八番」の新着記事 一覧を見る
水戸元祖 天狗納豆@水戸

水戸元祖 天狗納豆@水戸

茨城といえば納豆というイメージをつくったのが水戸の「天狗(てんぐ)納豆」。

大和屋@日本橋

大和屋@日本橋

東京・日本橋、三越前に店を構えるかつお節専門店。江戸末期、新潟出身の初代が、魚河岸のあった日本橋で商いを始めた。

佐野造船所@東京・潮見

佐野造船所@東京・潮見

水都・江戸で物流を担ったのは木造船だった。かつて、和船をつくっていた船大工は今はほとんど姿を消した。佐野造船所は、船大工の職人技を代々受け継ぎながら生き延びてきた。

天真正伝香取神道流本部道場@千葉・香取

天真正伝香取神道流本部道場@千葉・香取

「エイ」「ヤー!」。勇ましいかけ声と木刀の打ち合う音が響く。千葉県香取市、香取神宮のほど近く。約600年連綿と伝えられてきた古武術、天真正伝(しょうでん)香取神道流の本部道場だ。

新着コラム 一覧を見る
竹内浩一さん(日本画家) 「牛の鈴音」(2008年)

私の描くグッとムービー

竹内浩一さん(日本画家)
「牛の鈴音」(2008年)

韓国農村部の四季の中で、79歳の寡黙な農夫と、老いた一頭の牛との生活を淡々と撮影したドキュメンタリーです。

ブームの卵

ブームの卵

7月19日 注目グッズ
「Pen」など

手に持つとひんやり冷たくて独特な手触り、心地よい重量感……。「Pen」は、ペン軸がコンクリート製のボールペンなんだ。

「3doo(サンドウ)」のジェラート(ベルガモット紅茶&ベリーチップ)

オトコの別腹

田川隼嗣さん
「3doo(サンドウ)」のジェラート(ベルガモット紅茶&ベリーチップ)

新しいもの好きの性格なので、チョコレートとか王道のものは、つい外したくなっちゃって。それなら、紅茶味にいってみようと思ったのがきっかけ。

「辛麺 華火」の辛麺

おんなのイケ麺(めん)

森七菜さん
「辛麺 華火」の辛麺

辛党です。甘いものも好きですけど、あんまり食べ続けられなくて。でも、辛いものは無限に食べられるんです。

♪プレゼント♪

マイページへ 新規会員登録

プレゼント応募時に1度会員登録をされると、以後はパスワードなどの入力だけでご応募いただけます。