ひとえきがたり

広電宮島口駅(広島県、広島電鉄宮島線)

生まれ変わる 厳島の玄関口

越屋根がついた広電宮島口駅(左端)を出ると対岸に宮島(右奥)が見える=広島県廿日市市宮島口

越屋根がついた広電宮島口駅(左端)を出ると対岸に宮島(右奥)が見える=広島県廿日市市宮島口

  • 越屋根がついた広電宮島口駅(左端)を出ると対岸に宮島(右奥)が見える=広島県廿日市市宮島口
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 今年、世界遺産登録20周年を迎える宮島・厳島神社への玄関口。広電の電車を降りた人々が、JR宮島口駅からまっすぐ港へのびる道を歩いてくる人々と駅前ロータリーで合流し、足早にフェリー乗り場へと向かっていく。

 宮島口エリアは、広電グループの宮島松大汽船と国内唯一のJR連絡船、JR西日本宮島フェリーの乗り場が並ぶ。古くから港湾として栄えてきた。明治時代以降、本土と宮島を結ぶ交通の結節点として、1930年と63年の2度にわたり埋め立て工事がされ、今の姿になった。

 その一角に立つ駅前商業ビル「もみじ本陣」の1階にカフェ「伊都岐(いつき)珈琲factory」がある。対岸の宮島にも4店舗を展開する。宮島の観光客は昨年、約400万人に上った。一方島では高齢化が進み、空き家が目立つように。近年、空き家を活用したカフェを出すため広島市内などから島に移住する若者がいる。伊都岐珈琲を営む佐々木恵亮さん(32)もその1人。「将来、ビルがなくなるかもしれないので、この宮島口の店をどうするかを考えなければ」と話す。

 広島県廿日市市(はつかいちし)は地元関係者や国、県などと協議を重ね、宮島口エリアの整備構想を策定中だ。昨年は「宮島口まちづくり国際コンペ」を実施。国内外から230の応募があり、優秀作3点などの出品作を構想の参考にする。来年度は県が旅客ターミナルビルの設計に乗り出す。広電の駅舎を港側に移す方向だ。東京五輪開催の2020年をめざし、回遊型のまちをつくりたいという。

 宮島口まちづくり推進協議会のメンバーで、もみじ饅頭(まんじゅう)店おきな堂社長の木谷憲昭さん(68)は「駅を降りたらすぐ宮島を感じられる。そんな街がええ」とほほえんだ。

文 石井広子撮影 山本倫子 

 沿線ぶらり  

 広島電鉄宮島線は、広電西広島駅(広島市)と広電宮島口駅(廿日市市)を結ぶ16.1キロ。

 厳島神社までは、宮島松大汽船かJR西日本宮島フェリーに約10分乗り、宮島で下船して徒歩約15分。

 3月27日(日)、宮島清盛まつりが開催される。平家一門の武将や白拍子などに扮した人々が宮島桟橋前広場を出発し、厳島神社を経て清盛神社まで練り歩く。問い合わせは実行委(0829・44・2011)。

 廿日市市は、けん玉発祥の地といわれる。広電廿日市駅からすぐのkendama shop&salon夢。(TEL0829・30・8755)は、けん玉専門店。イベントや教室の運営も。

 

興味津々
伊都岐珈琲

 宮島の目抜き通りにある伊都岐珈琲はセルフ式コーヒースタンド。ドリップコーヒー450円。問い合わせは宮島口の伊都岐珈琲factory(TEL0829・20・5106)。

(2016年3月8日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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