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田畑智子さん バンブーグラッシィ「生雲丹と焼き飯」

 20代の前半、マネジャーさんに「お仕事頑張ったから」って連れて行ってもらったのが最初でした。当時は1日でも休みがあると京都に帰省していたので、東京のお店を全然知らなくて。今でも撮影や一つの作品が終わったら食べに行くご褒美のようなお店です。


 鉄板焼きなので肉はもちろん野菜も全部おいしいんですが、絶対食べるのが「生雲丹と焼き飯」。途中で食べて、最後にまた食べることもあるほど。韓国のりの上におしょうゆの焼き飯とウニ、木の芽というシンプルさ。韓国のりのごま油とウニってこんなに合うんだって衝撃を受けました。


 実家は約300年続く料亭で、父が8代目。刺激の強い料理はおだしの味が分からなくなるからとあまり食べさせてもらえませんでした。職人肌で料理は見て覚えなさいという考えでしたが、最近は柔軟になってきて「ちょっとあれ入れた方がええよ」とか教えてくれるようになりました。オムライスの隠し味にカレー粉を入れるといいよとか。6歳の長男も4歳の次男も、このオムライスが大好きで私の得意料理です。


 私も父に「生雲丹と焼き飯」を教えたら、「そんなのあるんか」って、ちょっとアレンジしてまねしてました(笑)。近いうちに家族と両親で行ってみたいですね。

(聞き手・水越悠美子)

 

◆東京都渋谷区恵比寿3の9の29の地下1階(☎03・5739・0527)。生雲丹と焼き飯(2貫)2600円。コースは8千円~。午後5時~午前0時(午後11時ラストオーダー)。定休日なし。

 


 

たばた・ともこ 俳優。1980年生まれ。映画「お引越し」で主演デビュー。NHK連続テレビ小説「私の青空」など、数多くのドラマや映画、舞台で活躍。8月1日から、東京・新橋演舞場で始まる「華岡青洲の妻」(大竹しのぶ、波乃久里子、田中哲司ほか)に出演。

(2025年6月5日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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