アートリップ

せとしるべ
高松港湾・空港整備事務所作(香川県高松市)

瀬戸内を照らす赤い灯光

高さは約14・2メートル。雨でぬれた遊歩道に灯台が映っていた=外山俊樹撮影

高さは約14・2メートル。雨でぬれた遊歩道に灯台が映っていた=外山俊樹撮影

 JR高松駅から徒歩約10分。日没後の高松港は、瀬戸内の島々が薄闇に溶け込み、赤く光る塔が浮かび上がる。世界でも類を見ないガラス製の灯台「せとしるべ」だ。

 正式名称は、高松港玉藻防波堤灯台。港の灯台は、港に入る船から見て左側が白色の塗装に緑色の光、右側がともに赤色と決まっている。1998年、港周辺の再開発事業の一環で、既存のコンクリート製の赤灯台を改築移設した。地元の人々から、地域のシンボルとなるようなデザインを求められ、運輸省の高松港工事事務所(現高松港湾・空港整備事務所)で当時所長だった宮本卓次郎さん(63)がガラス素材を提案した。「内から透けるように光り、見た目も美しくなると直感したんです」と宮本さん。

 約1600個のガラスブロックを使用。内側に赤色フィルムを貼り、内部から蛍光灯で発光させている。「せとしるべ」を保守管理する高松海上保安部のOBの大谷雅彦さん(66)は、「7種の赤色フィルムのうち、海上から最も視認しやすい色を実験して選びました」と当時の苦労を振り返る。移設から約20年、ガラスを使うことで懸念された大きな損傷はない。瀬戸内海に突き出す防波堤の先にある灯台まで往復約1キロの遊歩道は、ウォーキングや釣りの場として市民に親しまれている。

 船上では、GPS機能とともに目視も重要だ。赤い光は約21キロ先まで届く。駅への帰り道、雨に煙る港からいつまでも見送ってくれているような気がした。

(星亜里紗)

 高松港

 瀬戸内海の島々を行き来するフェリーなど旅客船や貨物船の発着場。周辺一帯は「サンポート高松」と呼ばれ、商業施設や公園、ホテルなどがある。


ぶらり発見

さぬきうどん 揚げぴっぴ 骨付鳥味 讃岐うどんのめりけんや(問い合わせは0877・49・6111)が製造販売する、うどんを揚げたお菓子「さぬきうどん 揚げぴっぴ 骨付鳥味」(写真、100g、410円)は観光客に人気。ほかに「甘味」「しお味」なども。高松港近くにある「高松シンボルタワー」内の物産店などで購入できる。

 高松港から海沿いを歩いていくと、古い倉庫街を活用した商業複合施設北浜アリー(問い合わせは087・834・4335)がある。瀬戸内海に臨む立地に、雑貨店やカフェなどが並ぶ。

(2019年10月8日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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