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美博ノート

「ハウルの動く城」のイメージボード

ジブリの立体建造物展(豊田市美術館)

 


美博ノート
©2004 Studio Ghibli・NDDMT

 

 スタジオジブリ作品「ハウルの動く城」。宮崎駿監督が海外のファンタジー小説に戦争シーンを盛り込み、戦時下でのラブストーリーに仕立てたアニメ映画だ。

 この城は魔法使いハウルの住居でありながら、軍艦のように武装している。ニワトリの足形をした4本足で大地を歩き回り、時には飛ぶこともある。宮崎監督が描いたイメージボードの左隅には、足の動き方を表すイラストに、「支点に注意」というメモが添えられている。

 「宮崎監督の映画づくりは、こうした細かい美術設定から始まる」と話すのは、スタジオジブリ・イベントプロデューサーの青木貴之氏。部分から全体へ、ディテールから世界を設計していく中で、ストーリーが膨らんでいくという。

(2016年8月23日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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