読んでたのしい、当たってうれしい。

美博ノート

「装飾資料集」より PL25

アルフォンス・ミュシャ デザインの仕事(清須市はるひ美術館)

 


美博ノート
1902年 OGATAコレクション

 

 1902年に出版された「装飾資料集」は、ミュシャが提案するデザイン総覧のようなもの。説明文などは一切載っておらず、様々な角度から捉えた動植物や人物、食器などが描写された72枚の図版からなる。

 19世紀末から花開いた芸術様式アールヌーボーの思潮であった「自然から学ぶ」精神が、大いに詰まった内容だ。

 本作は、分解されたユリの花をスケッチした1枚。単に全体像を描くだけではなく、葉や花びら、根に至るまで、構造や特徴などを事細かに観察し、分析している。

 デザイン化する際は、どの部分を生かし、どの部分をそぎ落とすか取捨選択し、形や色を単純化したり抽象化したりして「文様」へと変化させていくのだという。

(2016年9月13日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

美博ノートの新着記事

  • 朝の富士 白んだ空を明るい水色で、朝日を受けて輝く富士の頂の冠雪を黄色で、光に照らされた山体を黄土色で表現している。

  • 朝日  庭の植物や昆虫、カエルやネコなどを、鮮やかな色彩と輪郭線で描いた熊谷守一(1880~1977)。

  • ライフダンス No.1  人物の輪郭を表す線が画面を構成する形となり、四方八方へ広がっていく。

  • 立てる裸婦 アトリエに全く同じ構成でモデルや絨毯を配し、本作を描く小出楢重(1887~1931)の写真が残っている。

新着コラム