五十三次 京三條橋
江戸・日本橋から約500キロ、東海道五十三次の終着点は京の玄関口・三条大橋。東山や八坂の塔を背景に、頭に薪をのせて売り歩く大原女、茶筅をさした竹棒をかつぐ茶筅売り、衣を頭にかぶった被衣姿の高貴な女性が行き交う。
戦前、戦後に愛知・瀬戸で作られた輸出用陶磁「ノベルティ」は、「新しい・珍しいもの」を意味する。
本作は、米国の画家ノーマン・ロックウェル(1894~1978)の絵画を立体化した、斬新な作品だ。「ノーマン自身が鏡を見ながら自画像を描く」原画をもとに、工房の原型師が粘土で模型を作る。「原画に描かれていない部分まで想像して立体化するのは、相当難しい」と山口万里佳学芸員。イスの木目やシャツの陰影は手で彩色されており、細やかな技術が光る。
ノーマンのシリーズは主に1970~80年代、米国で販売された。高さ15センチ前後が大半で、当時は50ドル程度であったためコレクターが多かった。本展には約160点が並ぶ。