五十三次 京三條橋
江戸・日本橋から約500キロ、東海道五十三次の終着点は京の玄関口・三条大橋。東山や八坂の塔を背景に、頭に薪をのせて売り歩く大原女、茶筅をさした竹棒をかつぐ茶筅売り、衣を頭にかぶった被衣姿の高貴な女性が行き交う。
神社と動物の関わりは深い。それぞれの由緒にちなんで、サルやキツネをモチーフにした陶製の像も岐阜県東濃地方で奉納された。
神猿は魔よけのご利益があるとされる、神の使い。「鉄釉神猿」は吽形(うんぎょう)のみ伝わる。烏帽子(えぼし)には光沢のある釉薬(ゆうやく)を使い分け、手足や顔に細やかな表現が光る。作者は、織部焼陶祖の系統に連なる陶工・東理藤治(りとうじ)。4代にわたって狛犬(こまいぬ)や神猿のほか、酒器や香炉も手がけた。
稲荷神社といえばキツネ。「灰釉神狐」(山本半兵衛作)は青磁を思わせる御深井釉(おふけゆう)を施し、スタイリッシュな姿で風格を表現。2体とも、霊徳の高さを意味する宝珠を携えている。