美博ノート

「鉄釉神猿(てつゆうまさる)」「灰釉神狐(かいゆうしんこ)」

まさるときつねとこま犬(土岐市美濃陶磁歴史館)

(右)「鉄釉神猿」久尻神社、1778年(左)「灰釉神狐」荷機稲荷神社、1804年、瑞浪市指定文化財

㊨「鉄釉神猿」久尻神社、1778年㊧「灰釉神狐」荷機稲荷神社、1804年、瑞浪市指定文化財

 神社と動物の関わりは深い。それぞれの由緒にちなんで、サルやキツネをモチーフにした陶製の像も岐阜県東濃地方で奉納された。

 神猿は魔よけのご利益があるとされる、神の使い。「鉄釉神猿」は吽形(うんぎょう)のみ伝わる。烏帽子(えぼし)には光沢のある釉薬(ゆうやく)を使い分け、手足や顔に細やかな表現が光る。作者は、織部焼陶祖の系統に連なる陶工・東理藤治(りとうじ)。4代にわたって狛犬(こまいぬ)や神猿のほか、酒器や香炉も手がけた。

 稲荷神社といえばキツネ。「灰釉神狐」(山本半兵衛作)は青磁を思わせる御深井釉(おふけゆう)を施し、スタイリッシュな姿で風格を表現。2体とも、霊徳の高さを意味する宝珠を携えている。

(2019年1月22日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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