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美博ノート

「郷土玩具の土鈴」

クジラはアートだ!(鳥羽市立海の博物館)

勇魚文庫蔵
勇魚文庫蔵

 三重県北部には、鯨船行事と呼ばれる祭りがある。ユネスコの無形文化遺産にも登録されている四日市市・鳥出神社の鯨船行事は、江戸時代後期から今日まで続いている。

 捕鯨の様子を再現したこの祭礼では、中に人が入ったり担いだりして動き回るクジラの張り子を、練り歩く船の形の山車の上からモリで突く所作をする。その山車と張り子をかたどった土鈴が本作。郷土玩具として親しまれている。

 四日市市や隣接する鈴鹿市など県北の臨海部は、伊勢湾の奥に位置するため浅瀬が多く、主に迷い込んだり打ち上げられたりしたクジラを取っていた。たまに得られる臨時収入による経済的な波及効果は大きく、海神からの贈り物として祭礼でクジラを祀り、感謝を捧げるようになったという。

(2019年9月3日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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