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美博ノート

種まく人

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」愛知県美術館

1888年11月 油彩、キャンバス 32.5×40.3cm ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)Van Gogh Museum,Amsterdam(Vincent van Gogh Foundation)

 よく知られた同題のミレーの名作がある。本作はそのオマージュだ。

 オランダの農村に生まれ育ったゴッホは、農民画家と呼ばれるミレーの作品をいくつも模倣している。「ゴッホは、農村や農民を善なるものと捉えていました。力強く生きる農民を描いたミレーに、憧れや敬意があったのでしょう。弟テオへの手紙でも率直に称賛しています」と、学芸員の石崎尚(たかし)さんは話す。
 ただ、ミレーの絵に木はない。この頃のゴッホは、日本の浮世絵に傾倒していた。「画面を分割する大胆な構図は、浮世絵の影響だと考えられます」と石崎さん。独特の色調は、ドラクロワの色彩理論を採り入れたものだと言う。「多方面への憧れを素直に吸収し、自らの表現として結晶させています。大きな太陽には、一日の労働を終えた農民への共感を込めたのではないでしょうか」

 

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