鳥鈕蓋付台付壺(とりちゅうふたつきだいつきつぼ)
東海地方に多い、蓋のつまみが鳥の壺。それはなぜ?
どう使うのか分からない壺。肩の部分がにぎやかだ。首も脚も長い動物は、胴の斑点からシカだと分かる。後ろに続くのは、手綱がついていたらしいウマ。人が移動手段として乗っていたことがうかがえる。その背後で向き合うイノシシとイヌは、猟の象徴だろうか。
古墳の副葬品として出土した本作に、実用性はなかっただろうと学芸員の大西遼さんは話す。「ろくろが使われたからこそ、壺や台の形は均整が取れています。指痕が残る装飾の造形は粗く見えますが、イヌとイノシシの耳の形の違いなど、特徴を捉えています」
動物と対をなすように人も並ぶ。右手を腰にあて左手で壺を支える人とその正面にいる人は踊っているとされる。隣にはかがむ人と手を高々とあげる人。2人の間にはもう1人いた痕跡がある。「3人は相撲をとる力士と行司では」と大西さん。当時の人々の生き生きとした姿が見えてくる。