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私の描くグッとムービー

横尾美美さん(画家)
「ロバと王女」(1970年)

愛を信じた王女 やっぱり愛が好き

 横尾美美さん(画家)「ロバと王女」(1970年)

 

 この映画は、一冊の本が開かれ、お城の挿絵が実写へと変わる演出で、美しいおとぎ話の世界へ入っていきます。

 青の国では、王と王妃が仲むつまじく暮らしていました。ある時、王妃が病に倒れ「私より美しい女性と再婚して」と言い残して亡くなる。そんな女性はおらず、王は自分の娘に求婚する。困惑した王女は結婚を諦めさせるため、妖精の助言で難題を提案。晴れた空色のドレス、輝く月色のドレス、輝く太陽の色のドレスを要望する。この色のたとえは、私の作品の色彩に豊かなインスピレーションを与えました。

 王女はことごとく願いをかなえる王からロバの皮を被って逃げ、森の中で豚飼いとして暮らし始めます。魔法の力によって、森へと導かれる赤の国の王子。小屋の中の王女に一目で恋に落ちる。王女が鏡越しにその王子を見る場面は最も美しく魅惑的です。物語の鍵となる、王女が王子へ「愛のケーキ」を作る場面は、レシピを歌うメロディーに心が弾みます。愛がかなうように、こっそり指輪をケーキに入れる。私も作品を見る人への贈り物として、そっと指輪を忍ばせてある。見つけて頂きたいですね。

 王女が口ずさむ「どんな愛でも私は愛が好き」という歌詞があります。王女のように、数奇な運命をたどりながらも、愛の力を信じ、望み、愛を引き寄せる、そんな強さに共感します。この言葉をオウムが3回繰り返すのも、メッセージを感じます。

聞き手・笹木菜々子

 

  監督=ジャック・ドゥミ
   製作=仏
   出演=カトリーヌ・ドヌーブ、ジャック・ペラン、ジャン・マレーほか
よこお・みみ
 6月に東京・代々木上原の「dish tokyo gastronomy cafe」で作品を展示予定。そのほか、東京や関西でも個展を開催予定。

 


横尾美美さん直筆サイン入り色紙プレゼント!

 

横尾美美さん」

 横尾美美さんの直筆サイン入りの色紙を3人にプレゼント。
 横尾美美さんが、映画で王女が口ずさむ歌詞「どんな愛でも私は愛が好き」をローマ字で添えた直筆サイン入りの色紙をプレゼントします。
 ※応募には朝日マリオン・コムの会員登録が必要です。以下の応募ページから会員登録を行って、ご応募ください。

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 たくさんのご応募ありがとうございました。

(2016年12月16日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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