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美博ノート

唐冠形兜(とうかんなりかぶと) 

「豊臣兄弟!」徳川美術館(名古屋市)

16世紀(桃山時代) 高さ68×幅175センチ 三重県伊賀市蔵

 古代中国の「唐冠」を模した兜。長い耳のような装飾は、纓(えい)という飾りをデフォルメしたものだ。

 この兜は、数々の戦功を上げた津藩初代藩主の藤堂高虎が、豊臣秀吉から授かったと伝わる。

 取り外せる左右の装飾は一片約88センチと、他の唐冠形兜よりかなり長い。漆で黒光りしているので鉄製に見えるが、先端部分では2ミリ程度しかない薄い木製の板だ。兜全体の重量は意外なほど軽いという。

 この時代、形や装飾が奇抜な変わり兜が流行した。戦場で不利にならないのだろうか。学芸員の高橋哲也さんは、「動きにくさや標的になるリスクはありましたが、敵を威嚇する役割があったと考えられます。自己の存在を誇示し、味方の士気を高める意味もあったようです。この兜も軽量化されているので、実戦で使ったのでしょう」。

 秀吉の弟秀長や跡継ぎの秀保ら豊臣家に仕えた高虎。関ケ原の戦い以降は徳川家を支え、幕府の重臣として重用された。

 

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