柴田理恵さん
森昆布〆専門店 イカ昆布〆 そもそも私は羅臼昆布大使をやっているくらいの昆布好き。
森昆布〆専門店 イカ昆布〆 そもそも私は羅臼昆布大使をやっているくらいの昆布好き。
いろいろな人形焼きを食べてきましたが、これは皮の厚みとあんこのバランスが絶妙です。高校生の頃から昨年まで、若手の研鑽の場「新春浅草歌舞伎」に出演しました。舞台の合間に浅草で食べ歩きするのが好きで、この「人形焼」は毎回定番。あんこがしっかり甘いのに、くどさがないんですよね。
店の女将さんによると、創業した明治の頃は砂糖が貴重で「うまいは甘い」という時代だったそうです。ずっしりと重いのも、材料を惜しみなく使う製法を守ってきたからだと。
浅草での出演時、チラシを貼らせてほしいと各店をごあいさつして回りました。僕が長谷川平蔵宣以役で出演中のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」も浅草かいわいが舞台ですが、いまだに江戸っ子気質の人たちがいて、粋な匂いが残ります。紀文堂総本店のご主人も、事前に何も言わずに「隼人くんの半纏を作ったからいつでもおいで」と三社祭に招いてくれました。そんなところもかっこいいですよね。
浅草歌舞伎で経験を積み、今月は歌舞伎座で憧れの役、平知盛を演じます。こんなにスケールの大きい勇壮な役は初めてです。片岡仁左衛門のおじさまに教えていただき、今できる最大限をぶつけて挑みます。
(聞き手・中村さやか)
◆東京都台東区浅草1の2の2(☎03・3841・4401)。黒あん5個入り700円ほか。午前10時~午後7時。水曜休み。オンラインショップ(https://www.kibundo-sohonten.co.jp/)でも販売。
なかむら・はやと 歌舞伎俳優。1993年東京都生まれ。21日まで東京・銀座の歌舞伎座「錦秋十月大歌舞伎」に出演。歌舞伎の三大名作の一つ「義経千本桜」のうち「渡海屋・大物浦」の幕で、渡海屋銀平実は新中納言知盛役を、坂東巳之助とダブルキャストで勤める。