読んでたのしい、当たってうれしい。

今月の人

松田龍平

札幌舞台の探偵映画パート2
「マイペースだけど熱い」 相棒演じる

松田龍平
松田龍平 ©2013 「探偵はBARにいる2」製作委員会

 札幌の歓楽街ススキノを拠点に、ヤバい仕事で日銭を稼ぐ探偵と相棒の名コンビが帰ってくる。5月11日(土)から全国公開の映画「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」は、札幌出身の作家・東直己の小説が原作で、2年前に公開された映画の続編だ。松田は、大泉洋扮する探偵の相棒・高田を演じる。

 ある日、なじみのショーパブで働くオカマのマサコちゃんが殺された。事件の背後には、原発利権に関わる政界と裏社会の思惑が渦巻いているらしい。探偵と高田は調査に乗り出すが……。

 パート1同様、今回もアクションが大変だった。「例えばト書きでは『乱闘』という2文字だけ書かれていますが、実際にやってみると結構ハードだなと思うことが続きましたね」と淡々と、でも楽しそうに撮影を振り返る。北大農学部の助手で空手道場の師範代という設定の高田を、「すごく自由奔放でマイペースだけど、正義感があって実は熱い男」と分析。探偵とのデコボコ感を意識したという2人の絶妙な掛け合いは見どころだ。「大泉さんの探偵は格好つけていても滑稽に見えるかわいさがあり、人間味にあふれている。その雰囲気がすごく好きですね」

 今作には原作者も一場面出演しているが、「東さんとは挨拶(あいさつ)したくらいで。原作のキャラクターをコピーすることはできないので、僕が演じたものを見てどう思うのかなという不安はありますね」と意外な本音をぽろり。演技に対する真摯(しんし)な姿勢を感じた。

 パート3も?との質問に「大泉さんはパート3までは絶対、自費でもやるみたいなこと言っているみたいです。僕もやれるならやりたいですね」。

取材・文/牧野祥
 撮影/高嶋佳代


プロフィール

まつだ・りゅうへい
1983年東京都生まれ。最近の主な出演作に、映画「北のカナリアたち」(2012年)、「舟を編む」(13年)など。4月から放送中のNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」には、第7週から出演する。

(2013年5月7日、マリオン・ライフ、マリオン・プレゼント掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

今、あなたにオススメ

今月の人の新着記事

  • 大沢たかお 「風に立つライオン」(三池崇史監督)で、日本に残した恋人への思いを胸に、ケニアで医療に従事する医師・航一郎を演じた。

  • 高良健吾 天童荒太が「人が生きた愛と感謝の時間をたたえてほしい」と願い、書き上げた直木賞小説「悼む人」。映画化にあたり堤幸彦監督から、主人公・坂築静人の持つ独特の存在感と孤独な瞳を体現できるとばってきされた。

  • 中村七之助 2014年3月、東京・歌舞伎座のこけら落とし公演で坂東玉三郎と演じた「二人藤娘」が、兄・勘九郎出演の「日本振袖始 大蛇退治」と共に、全国31都道府県の47の映画館で「シネマ歌舞伎」としてよみがえる。

  • 東出昌大 「アオハライド」は、作者の咲坂伊緒(さきさかいお)が「青春(アオハル)」と「ride(乗る)」を組み合わせて創作した言葉だ。約800万部の発行部数を誇るこの少女漫画の主人公を、本田翼と共に演じた。

新着コラム