読んでたのしい、当たってうれしい。

美博ノート

「レフルール」

ルネ・ラリックの香水瓶(豊橋市美術博物館)

「レフルール」
1912年 北澤美術館蔵

 19~20世紀に活躍した仏のガラス工芸家ルネ・ラリック(1860~1945)。本展では、ラリックが特に愛着を感じたという香水瓶を中心に約150点を紹介する。

 空想の世界をジュエリーで表現していたラリックに注目し、香水瓶のデザインに導いたのは、香水商フランソワ・コティだった。07年、瓶に貼る紙ラベルのデザインを依頼されたラリックは、翌年、スイカズラの花の香りをアール・ヌーヴォー調の裸婦で表現し、ガラスのラベルを考案した。

 その香水「レフルール」が売れると、コティは瓶全体のデザインをラリックに注文。瓶とラベルが一体化した本作は一躍話題になった。以後、ラリックはガラス製品の本格的な大量生産に着手することになる。

(2018年10月9日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

美博ノートの新着記事

  • あやめの衣 洋画のなかに日本の美。シンプルな構図で映える女性と江戸の小袖

  • ぬいとり 開催中の展覧会から注目作品をご紹介する「美博ノート」。全3回で、一宮市三岸節子記念美術館で開かれている「岡田三郎助 優美な色彩・気品ある女性像」を紹介します。

  • 三岸節子肖像 開催中の展覧会から注目作品をご紹介する「美博ノート」。今回から3回、一宮市三岸節子記念美術館で開かれている「岡田三郎助 優美な色彩・気品ある女性像」を紹介します。

  • 爆弾散華 碧南市藤井達吉現代美術館で開催中の「川端龍子展」の注目作をご紹介します。

新着コラム