読んでたのしい、当たってうれしい。

美博ノート

ペン描葉文食器セット

三重県立美術館 「日根野作三展」

1949年ごろ 日本陶磁振興会 三重県立美術館蔵

 植物の葉がモチーフの本作は、絵付け職人による大胆な筆致が特徴だ。葉脈は漫画にも用いるGペンで軽やかに描かれている。図案を担当したのは、陶磁器デザイナーの先駆者・日根野作三(1907~84)。岐阜県内の工場と連携して制作したとされる。


 現在の三重県伊賀市生まれの日根野は東京高等工芸学校(現千葉大工学部)を卒業後、愛知県瀬戸市の窯元や国立陶磁器試験所などで才能を発揮した。戦後独立し、47年に発足した日本陶磁振興会の指導者として、関西や東海地方の窯業地を巡った。


 「ものづくりの機械化や量産化が進んだ時代、人々の生活に美しいものを届けるという使命感を強く持っていた」と三重県立美術館学芸員の高曽由子さんは話す。本作の「手描きの美しさを生かした人間味のあるデザイン」にはそんな日根野の思いが表れている。

※会期は9月24日まで。

 

(記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

美博ノートの新着記事

  • 黄鉄鉱(パイライト) 真鍮(しんちゅう)のサイコロを埋め込んだオブジェのように見えるが、人の手は全く加えられていない自然の造形物である。

  • おもちゃのヘラジカ おもちゃのヘラジカの作者、ヨナス・クニェージャ(1929~2020)は帝政ロシアから独立を果たしたリトアニアに生まれ育った。

  • 伝統楽器カンクレス ユネスコ無形文化遺産の一つに、バルト三国各国で開催される「歌と踊りの祭典」がある。

  • タオル掛け バルト海に面し、広大な森や川、湖など豊かな自然に恵まれたリトアニア。

新着コラム