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美博ノート

永劫 一瞬

「金と銀―光の彩り」岐阜現代美術館

「永劫」2012年 60×240センチ 墨、銀泥、金地、和紙

 墨で描かれた小さな四角へ銀の細い線が静かに降りてくる「永劫(えいごう)」。濃淡の異なる二つの太い線が出合うところに、金の細い線が鋭く交わる「一瞬」。

 作者は、前衛的な書や墨を使った抽象画で知られる篠田桃紅(1913~2021)。父の故郷・岐阜を「心のふるさと」と呼び、折に触れて足を運んだ。99歳を迎え、「対をなす作品を」という岐阜現代美術館からの依頼に応えたのが本作だ。
 館長の宮崎香里さんは、そぎ落とされ濃縮した線で構図を決める篠田の神髄がわかる作品だと話す。「『永劫』は決して朽ちない金が、『一瞬』は空気に触れると刻一刻と色を変えていく銀が下地です」
 100歳を目前に、時間を題名にした篠田。風や音など目に見えないものを好んで作品名にしたという。「決められた枠にとらわれることのなかった作家の思考が見て取れる作品です」
 本展では金や銀を使った篠田の作品21点が並ぶ。

 

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