私の描くグッとムービー

津森千里さん(デザイナー)
「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」(2017年)

型破りで能天気なスパロウ船長

 海外出張が多くて、映画は機内で見ることが多いの。往復6本で年間70本くらいかしら。リラックスして楽しい旅にしたいから、人が死んじゃうようなものとか、戦争ものは見ない。ハッピーエンドのファンタジー映画をよく見るわね。

 この映画は、海賊ジャック・スパロウが、伝説の秘宝「ポセイドンの槍(やり)」を探し求めて、新しい仲間と大海原へ繰り出す物語。彼に復讐(ふくしゅう)心を持つ海の死に神に追われながら、なんとか宝のある場所までたどり着くの。

 ジャックは魅力的ね。型破りで、能天気な感じがいい。冒頭の、金庫が入った家を、そのまま引きずって金品を盗もうとするシーンには心をつかまれたわ。シリーズの途中で死んだはずなのに、続編で生き返っているところもおもしろい。映画っていろんなことができるのね。

 仕事柄、衣装も気になるけれど、目がいってしまうのは、登場人物が演じる場所。ファッション撮影の背景として、印象に残ったところに近いものを使うこともあるかな。かつて政府公認の海賊が住んでいた港町、フランスのサン・マロへ行って、海賊をイメージした婦人向けの服をデザインしたことがあるのよ。

 イラストは、物語の中盤なの。宝がある島、そこへ向かうジャックと仲間を襲うサメ、かつてほかの海賊に奪われて、瓶詰めにされた自身の船「ブラックパール号」を中心に、他のシーンをまぜてコラージュに。彼のエキゾチックな顔立ちが素敵でしょ。

聞き手・陣代雅子

 

  監督=ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ
  製作=米
  出演=ジョニー・デップ、ジェフリー・ラッシュほか
つもり・ちさと
 1954年生まれ。ファッションブランド「TSUMORI CHISATO」を手がける。現在、ショップでは春夏コレクションを展開中。

(2019年2月22日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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