「がっくんって、ファックシットに似てますよね」。映画撮影の待ち時間に後輩から言われたんです。最初はスラングかと思いました(笑)。映画の登場人物だと教えてもらい、それで見たのが最初ですね。
舞台は1990年代のアメリカ・ロサンゼルス。主人公である13歳のスティービーは、偶然見かけたスケートボードに乗る青年たちの自由でかっこいい姿に憧れ、ちょっと背伸びして彼らと行動をともにするようになります。
ある日、自分のスケートボードが欲しくなったスティービーは、兄とともにお母さんのタンスからお金を盗みます。でも、それがいけないことだとわかっている彼は、盗んだ後にブラシで太ももをこすって自分を傷つけるんです。ほかにも、お兄ちゃんとけんかした後、ひどい言葉を言った自分を罰するためゲーム機のコードで自分の首を絞めたりーー。セリフではなくひとつひとつの動作で、根はいい子なんだと表現するところが秀逸だし、何より演技が自然体で引き込まれました。
似ていると言われたファックシットは、スティービーが憧れる青年グループの一人。明るく社交的だけどちょっと危なっかしくもあって、確かに自分にも近い部分があるのかもと思いましたね。
ちょうどオーディションに向けてアピールするために自分を見つめ直している時で、ちょっとやんちゃな兄貴みたいなイメージも自分に合うかもと気づかせてくれました。新たな発見をくれたという意味でも大切にしている作品。今後も半年に1度は見返すと思います。
(聞き手・中山幸穂)
監督=ジョナ・ヒル
製作国=米国
出演=サニー・スリッチ、キャサリン・ウォーターストン、ルーカス・ヘッジズほか
さの・がく 1992年生まれ。「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞。俳優として様々な舞台・映像作品に出演。連続ショートドラマ「アンロック」がショートドラマアプリ「BUMP」にて配信中。
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