「モンサンクレール」 セラヴィ〈プティ〉 「セラヴィ(これぞ我が人生)」と名付けられたケーキ。お笑い系ウェブメディア「オモコロ」の編集長、原宿さんはその名前の重さ、味のすごみに胸を打たれました。
お裾分けでいただき、愛用して10年以上になります。馬刺しに添えたり、季節の野菜をゴマと溶いたみそでもんだり。余り物で作る「寝ぼけた味のおじや」も新鮮な味わいに。意外なところではトーストにも合います。バターを塗って、塩をひと振りしてゴマをまんべんなくかけて焼くだけ。これだけ頼れるものがあると、料理を気張らなくていい。何だか「ベテラン俳優」みたいですね。自分の演技がつたなくても、後ろで支えてくれる。そんな心強さがあります。
舞台の稽古場にも基本は自炊した軽食を持って行きます。先日は、カブの梅かつおゴマあえなど。舞台中は時間が限られるので、作るのは一皿で決着がつくようなものですが、自分が作るものを食べていると体調がいいですね。
常備菜ではエノキのあえものをよく作ります。エノキをざく切りにして、固まりをほぐしてから、ざっと30秒ぐらいゆでてザルに上げ、塩を振ってざっくりあえる。冷めたら千切りのシソ、ゴマをたっぷり混ぜます。単純ですが、夫や友人たちには好評です。
実は我が家の液体以外の調味料入れは「京のごまや」の空き瓶を使っています。長年お世話になってきたなと改めて感じます。今後も頼りにしつつ、毎日の料理を気軽に楽しみたいと思います。
(聞き手・島貫柚子)
◆京都市東山区下河原通八坂鳥居前下る下河原町478(☎075・561・1498)。午前10時~午後5時半。(日)(祝)休み、(水)不定休。225g入り1458円。オンラインショップでも購入可。写真は調理例。
京のごまや 祇園むら田公式ページ
https://www.gion-murata.co.jp/t/item/sesame/
みむら・りえ 俳優、エッセイスト。1984年、埼玉県生まれ。東京・新橋演舞場で9月26日まで公演中の舞台「ふるあめりかに袖はぬらさじ」に、花魁(おいらん)・亀遊役として出演。