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美博ノート

相聞

「金と銀―光の彩り」岐阜現代美術館

2002年 170.0×168.4センチ 墨、銀泥、金地、和紙

 二曲一隻の屛風(びょうぶ)。左扇と右扇を割る墨の線の根本に、やや薄く太い線が交差する。館長の宮崎香里さんは、この2本の線をつなぐ斜めの細い線によって、安定したバランスが生まれているという。「左扇に銀泥で表したやや傾きのある四角の浮遊感と墨の線の安定感が、金地の画面の広がりを感じさせます」

 篠田は、1956年からの2年を、抽象表現主義が席巻していたニューヨークで過ごした。当時書いていた篠田の前衛書は「東洋的抽象」として高く評価された。帰国後の作品には「日本画的な美意識も見られる」と宮崎さん。本作にも、金・銀を背景にした大胆な構図や簡潔に意匠化した形といった琳派の要素が感じられると話す。
 篠田はかつて、白い和紙に画面を切るような墨の線で造形すると、時に画面が「厳しくなる」とエッセーに書いた。モノクロの世界に金銀という光を挿すことで、「厳しさ」に華やかさと柔らかさを取り込んだ。

 

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