「モンサンクレール」 セラヴィ〈プティ〉 「セラヴィ(これぞ我が人生)」と名付けられたケーキ。お笑い系ウェブメディア「オモコロ」の編集長、原宿さんはその名前の重さ、味のすごみに胸を打たれました。
このお店に伺うのは大体3時ごろ、昼でも夜でもない不思議な時間が好きで気分転換に行くんです。
カウンター右奥の指定席が空いているのを確認して、すました顔でサンドイッチとコーヒーをオーダーします。こんがりと焼いた香ばしい食パンにアコーディオンみたいなボリュームのレタス。大きな口でぱくっとね。野菜が多く淡泊なお味だと思ったらスパイシーなソースがきいているの。添えてあるピクルスも甘酸っぱくておいしいわよ。
私のイラストが飾ってあって、お店のママはこの席のことをセツコの部屋って言うのよ。他の人から自分が見えないように花瓶を少し移動すると個室みたいでしょ♪ エッセーを書いたり、日記帳にメモをしたりしています。カフェタイムは寡黙なマスターがいて、気が散らないので集中もできるんです。
ずらりと並んだアナログのLPレコードはぜーんぶママのコレクション。ママとは年のお付き合いになるわね。歌う楽しみを教えてもらって、コーラスグループに参加したこともあるのよ。7時からのバータイムでは、3500枚もあるレコードの中からリクエストに応えてジャズを流してくれるわ。そろそろ5時ね。ジャズを聴きながらウイスキーをいただきたいわ。自由にふらっと気兼ねない、この店は隠れ家みたいな場所なの。
(聞き手・佐藤直子)
◆東京都港区赤坂5の1の2の2階(☎03・3505・0188)。
1日10食限定。コーヒーか紅茶付き1600円、ビールかワイン付き1700円。
カフェタイム正午後午後6時半。バータイム7時~午前2時(ラストオーダーはいずれも30分前)。日休み。
-ボロンテール- 赤坂 JAZZ BAR (volontaire.jp)
たむら・せつこ おとぎの国から抜け出したような「かわいい女の子」を描くイラストレーター。楽しくおちゃめな暮らしのエッセーも手がける。新刊「86歳の健康暮らし」(興陽館)を発売。