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【離婚のカタチ】夫が「浮気相手と一緒になりたい」と離婚を要求。拒否できる? ~離婚お悩み相談室~

  弁護士が離婚のお悩みにお答えします

弁護士・理崎智英さんが、離婚にまつわるさまざまなお悩みにお答えします。今回のご相談は「浮気相手と一緒になりたい」と夫から離婚を突きつけられ、どう対応すればよいのか悩んでいます。

(この記事は、離婚の悩みを解決するポータルサイト離婚のカタチ からの転載です)
  
 

夫の浮気が発覚しました。夫は浮気相手と一緒になりたいとのことで、離婚を求められています。私に離婚する意思はありませんが、夫からの離婚の求めに応じなければならないのでしょうか? どう対処すればよいのか分からないので、最善の方法を教えてください。夫との婚姻期間は約10年で、子どもはいません。(北海道在住・30歳女性)

 

離婚は、原則として夫婦双方の合意がないとできません。そのため、ご相談者が夫と離婚したくないのであれば、離婚に応じなければよいだけです。いくら夫が離婚を望んでいても、妻がそれを拒否すれば、離婚は成立しません

 

ただし、たとえ夫婦の一方が離婚を拒否していても、法律上の「離婚事由(離婚が認められる理由)」(民法770条1項各号)がある場合には、離婚が認められる可能性があります。

 

離婚を望まない配偶者がいても、他方が裁判を起こして、その離婚事由を裁判所に認めてもらえれば、離婚が認められます。

 

法律上の離婚事由とは、例えば以下のような場合を指します。

 

・配偶者に不貞行為(浮気)があった場合(民法770条1項1号)

・配偶者の生死が3年以上不明である場合(同3号)

・長期間(5年程度)別居している場合(同5号)

    

有責配偶者からの離婚請求は認められない

ただし、離婚事由を自ら作った配偶者は「有責配偶者」となります。有責配偶者が離婚事由を理由に裁判を起こしても、原則として離婚請求は認められません。

 

今回のケースでは、妻側に離婚事由がなく、夫は不貞行為をした当事者であり、有責配偶者に該当します。したがって、夫からの離婚請求は原則として認められません

 

ただし、有責配偶者からの離婚請求であっても、婚姻期間に比べて別居期間が相当程度長期間に及んでいる場合には、裁判所が離婚請求を認める可能性があります。

 

そのため、今回のケースでも、ご相談者が夫と別居しており、その期間が婚姻期間10年のうち6~8年程度に及んでいれば、夫からの離婚請求が認められることもあります。

 

もっとも、そのためにはいくつかの条件を満たす必要があります。たとえば、夫婦の間に未成熟の子どもがいないことや、離婚によって配偶者が過酷な状況に置かれないことなどが挙げられます。

 

ご相談者が長期間の別居をしていない場合は、基本的に離婚に応じないというスタンスをとればよでしょう。

  

 

交渉を有利にすすめるために

ここからは、今後のアドバイスです。

 

夫との婚姻関係を継続できるのかどうかを冷静に検討するため、夫と別居するというのも選択肢のひとつです。

 

夫と別居してみて、婚姻関係の継続が難しいという結論に至った場合は、離婚を検討することになります。その際は、離婚条件(財産分与、慰謝料など)について夫と協議し、ご自身が納得できる条件が提示された場合に離婚に応じる、という方法をとればよいかと考えられます。


夫は有責配偶者であるため、原則として夫からの離婚請求は認められません。ですから、ご相談者としては有利な立場で交渉を進めることが可能です。

 

(記事は2025年8月1日時点の情報に基づいています。質問は実際の相談内容をもとに再構成しています)

  

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