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建モノがたり

明治学院大学13号館(東京都港区)

天然木にこだわった「鳥かご」

ラオス産チーク材を横積みにした格子で全面を囲んだ校舎
ラオス産チーク材を横積みにした格子で全面を囲んだ校舎
ラオス産チーク材を横積みにした格子で全面を囲んだ校舎 外からの光で明るい館内

キャンパスの奥まった一角にある箱のような建物。木の格子にすっぽり覆われたこれは何?

 都心部にある明治学院大学白金キャンパス。13号館は幼稚園や小学校の教員免許を取得する教育発達学科の学生が図工や音楽の実習、実技を行う施設だ。

 設計は1980年代からのキャンパス再開発にも携わった島崎義治さん(2015年死去)らに依頼した。全体をすっぽり木製格子で覆った模型を初めて見た同大管財部の古澤勝さんは「鳥かごのようだと思った」と振り返る。

 キャンパスには国の重要文化財である明治時代の宣教師館「インブリー館」をはじめ、木造や一部木造の特徴ある洋館がある。伝統を受け継ぎ「西洋的なものを感じさせる木の建築」を目指したと、島崎さんとともに設計を担当した清水建設の瀧根正温さんは話す。

 キャンパスの端にあたるため、細い道路を挟んで一般の住宅と隣り合う。外壁を覆う格子は視線を適度に遮り、街と大学を緩やかにつなぐ。

 中に入ると格子を通して柔らかい光が様々な角度から差し込み、吹き抜けのある木の空間に優しく包まれる。スケルトンの階段も開放的な雰囲気。「どこにいても人の気配や表情が感じられる」と瀧根さん。

 格子の材料は防火性、耐久性を考え、最初はアルミ材に木目化粧を施すことを提案したが、「島崎さんと大学側の意思は固かった」。天然木にこだわり、船の甲板にも使われるチーク材が採用された。

 吟味したといっても、木材である以上保護塗装などのメンテナンスが数年ごとに必要だ。「それはもう覚悟を決めていますので」と古澤さんは笑顔で話した。

(宮嶋麻里子、写真も)

 DATA

  設計:島崎義治建築設計事務所、清水建設一級建築士事務所
  階数:地下1階、地上2階
  用途:大学校舎(実習室など)
  完成:2012年

 《最寄り駅》 白金台


建モノがたり

 徒歩約10分の港区立郷土歴史館(電話03・6450・2107)は、1938年に建てられたゴシック調デザインの旧公衆衛生院の建物を保存・改修し、活用した施設。午前9時~午後5時((土)は8時まで)。常設展300円。吹き抜けが特徴の中央ホール、階段状の講堂などが見どころの建物の見学は無料。原則第3(木)休み。

(2022年1月25日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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