読んでたのしい、当たってうれしい。

美博ノート

クロード・モネ「ヴェネツィアの大運河」

ヴェネツィア展(名古屋ボストン美術館)

 


美博ノート
1908年 油彩
Bequest of Alexander Cochrane 19.171 Photo (c)2015 MFA,Boston.

 

 数々の芸術家がベネチアを訪れる中、モネは1908年の秋、67歳にしてようやく足を運んだ。本来は静養目的だったが、景観の美しさに魅了され、すぐに画材を取り寄せて制作に取りかかったという。

 この作品は、一時滞在したボストン出身アメリカ人の邸宅の前で制作された。モネがベネチアで描いた作品の中で傑作とされている。

 近寄ると、青、黄色、ピンクなど様々な色を使って運河の水面が反射する光を表現していることがよく分かる。

 モネはもっと若い頃に来たかったと悔やんだ。水面の光で街全体がきらめくベネチアは、「光の画家」と呼ばれた彼にとって格好の場所だったのだろう。

(2015年11月18日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

美博ノートの新着記事

  • 朝の富士 白んだ空を明るい水色で、朝日を受けて輝く富士の頂の冠雪を黄色で、光に照らされた山体を黄土色で表現している。

  • 朝日  庭の植物や昆虫、カエルやネコなどを、鮮やかな色彩と輪郭線で描いた熊谷守一(1880~1977)。

  • ライフダンス No.1  人物の輪郭を表す線が画面を構成する形となり、四方八方へ広がっていく。

  • 立てる裸婦 アトリエに全く同じ構成でモデルや絨毯を配し、本作を描く小出楢重(1887~1931)の写真が残っている。

新着コラム