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美博ノート

立てる裸婦

「造形の探求/大沼映夫(てるお) 試行と創造の軌跡」
メナード美術館(愛知県小牧市)

小出楢重 1930年 油彩・カンバス

 アトリエに全く同じ構成でモデルや絨毯(じゅんたん)を配し、本作を描く小出楢重(1887~1931)の写真が残っている。

 見比べると、モデルの胴の長さや下半身の安定感はそのままに、描いた女性の胴は細く、くびれも強調されている。日本人の体の特徴を正確に捉えてデフォルメし、表現として昇華させた技量が伺える。

 「裸婦は西洋では伝統的な主題ですが、日本で広まるのは明治期以降のこと。当時はモデルが少なく体形も違い、日本の室内に配置すると不自然さが生まれるような状況でした。欧州留学から帰国後、裸婦像の制作に悩む画家もいました」

 学芸員の小坂井玲さんによれば、小出は生活様式を洋風にして、兵庫県芦屋市の洋館のアトリエで制作に集中したという。大胆なデフォルメと色づかいで「裸婦の楢重」と高く評価された。最晩年に描いた本作は、小出の集大成でもある。

 

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