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美博ノート

「トンネルのある風景」

山下清とその仲間たちの作品展(瀬戸市美術館)

貼絵 1949年
貼絵 1949年

 踏むな 育てよ 水そそげ――。知的障害児施設「八幡学園」(千葉県市川市)の教育理念の下、貼り絵の才能を開花させた山下清(1922~71)。本展では、学友の作品とともに125点が並ぶ。

 18歳で学園を抜け出し、線路伝いに街から街へと放浪を重ねた清。時折、学園に戻っては、目に焼き付けた旅先の美しい風景を絵に残した。

 本作は、27歳の時のもの。常磐線の大津港駅(茨城県)~勿来(なこそ)駅(福島県)間にある第二勿来トンネルを描いている。影の表現や緻密(ちみつ)な描写からは、「日本のゴッホ」と称された清の高い技術がうかがえる。

 「障害という枠を超えて放たれる、優れた造形力と豊かな感性は、見る人の心に響きます」と、瀬戸市美術館学芸員の宮田悠衣さん。

(2017年10月24日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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