三岸節子肖像
開催中の展覧会から注目作品をご紹介する「美博ノート」。今回から3回、一宮市三岸節子記念美術館で開かれている「岡田三郎助 優美な色彩・気品ある女性像」を紹介します。
もともと南米の小さな部族社会だったインカ帝国は、周辺に栄えたいくつもの文化を15世紀に征服して大帝国となった。その一つがチャンカイ文化(11~15世紀)。ペルーの中部海岸地帯で形成された。ユーモラスな造形の土器や色鮮やかな織物が見つかっている。
写真の土偶は墓から出土した。両手を上げるのは神に祈るポーズで、顔や体の文様は入れ墨。頭部の小さな穴には羽根を差し、当時の人々と同じように飾り付けていたようだ。
当時は貴族階級の人が死ぬとミイラにして、衣装を替えたり、食べ物を供えたり、生きているように扱った。「これによって権威が保持され、政治的にも利用していました。土偶も副葬者を表したのかもしれません」と学芸員の松本庸子さんは話す。