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美博ノート

ぬいとり

一宮市三岸節子記念美術館 「岡田三郎助 優美な色彩・気品ある女性像」

1914年 油彩・カンバス 佐賀県立美術館蔵

 縫い物をする女性の手元にはランプの光を捉えた針と糸。様々な色が見て取れる肌からは柔らかさや体温が伝わる。「色が見えすぎて困る」と漏らした岡田三郎助の、豊かな色彩感覚がわかる作品だ。


 椅子やクッション、カーテンなど西洋風のしつらえの応接室で針仕事をするのは、岡田の妻、八千代。裁縫や刺繍(ししゅう)を専門学校で学び、平塚らいてうが結成した青鞜社に加わって、小説や評論、戯曲を書いてもいた。


 岡田には珍しく背景が細かく描き込んである本作。「ランプと明るく照らされた室内空間のあたたかみに、主眼があります」と学芸員の杉山章子さん。自宅でリラックスした日常が表現してあるという。


 岡田の出身地、佐賀県の県立美術館・博物館の近くに、夫妻が暮らしたアトリエが移設されている。本作を参考に室内を再現した応接室は、まさにここに描かれたままだ。

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