ピッツァスタジオタマキ Tamaki 初めて行ったとき、チェリートマトにフレッシュスモークモッツァレラ、ペコリーノ、バジルがのる定番「Tamaki」を頼みました。塩加減がいいんです。
大学に通いながら飛び込んだ落語の世界。師匠(五代目桂文枝さん)が卒業のお祝いにふるまってくれたのがひつまぶしでした。
落語研究会の先輩と行った寄席で師匠の大ファンになり、弟子入りを懇願。稽古に専念するため、いずれ大学は辞めるつもりでしたが、師匠の後押しで全うできました。卒業を報告すると師匠はとても喜んで、「お前、ひつまぶし食べたことないやろ」「ひまつぶしですか?」「違う、ひつまぶしや」と。愛知でかばん持ちの途中、初めていただいた江戸焼きのうなぎの感動は忘れられません。
東京竹葉亭さんは、思い出の江戸焼きが関西で楽しめる数少ないお店。百貨店の中にあって気軽に足が運べますし、ゆっくり落ち着けるのがいいですね。うなぎは白焼きにしてじっくりと蒸されていて、ふっくらとろける柔らかさ。おひつからお茶わんによそい、1杯目はみりんとしょうゆを煮詰めたタレの上品な甘みでうなぎを味わいます。2杯目は青ネギや山椒(さんしょう)、わさびを加えて味を変化。3杯目はだし茶漬けにして堪能します。
古典落語にはうなぎの登場演目が複数あり、昔は身近だったようですが、僕には昔も今も特別の日のごちそう。公演を無事に終えた自分へのごほうびです。
(聞き手・山崎元子)
◆大阪市中央区難波5の1の18、高島屋大阪店7階(☎06・6630・0115)。4620円。持ち帰り用に「江戸前鰻(うなぎ)ひつまぶし折(おり)」(4860円、季節限定)もある。午前11時~午後9時(ラストオーダー)。不定休。
かつら・ぶんきょう 落語家。1950年生まれ、兵庫県出身。73年に五代目桂文枝に入門。75年にABCフレッシュ寄席優秀賞、76年にABC落語新人コンクール優秀賞。上方落語協会顧問。1月11日、大阪市北区の天満天神繁昌亭で「第9回落語笑待席」に出演。