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ひとりっPさん
圓八(えんぱち) あんころ餅 

 海外への「ひとり旅」歴は25年以上、渡航は400回を超えました。私が「ひとり旅」をおすすめする理由の一つが「予定を決めなくていい、自分の心のままに行動できる」。けれど、故郷の金沢へ行く時だけ、決まりがあります。「到着したら、圓八のあんころ餅を入手すべく、急げ!」。小松空港でも、金沢駅でも売店に直行。なぜなら賞味期限は当日限り。石川県内でも買える場所は限られ、今日はいくつ食べられるか、明日はどこで買おうかと考えるほど大好きです。

 このあんこ、水分がほとんどなく、ほろりと崩れる。圓八では小豆を蒸して、渋切りをする製法。しかも、蒸して冷ましてを3回繰り返す。だから独特のコクが生まれます。竹皮で水分が抜け、竹のよい香りが付き、味が落ち着く。1737(元文2)年創業時から製法も竹皮で包むのも同じです。

 並んだ9個を付属のようじで分けつつ、あんこと餅を一緒に、口中へ運ぶ多幸感。竹皮に残るあんこをこそぎとって、食べ終わる頃には「二つ目は夕飯の後に食べよう、明日もやっぱり二つ買おう」と決意。金沢は人気の観光地がぎゅっと詰まった、「ひとり旅」にもぴったりの場所。あんころ餅を食べに金沢へ、ぜひ、お出かけくださいね。

(聞き手・丸山実木)

 

 ◆石川県白山市成町107(☎076・275・0018)。520円(竹皮、9粒入り)。午前8時~午後5時半。同県の金沢、小松、白山、加賀各市で店頭販売あり。無休。冷凍のネット通販も(https://enpachi.shop-pro.jp/)。

 


 

 ひとりっぴー 編集者。石川県出身。会社員時代から自腹で世界中を旅する。「ひとり旅」を「ひとりっぷ®」と命名し、実際に旅して得た〝使えるおすすめリアル情報〟をインスタグラム(@hi_trip)で発信中。
 
(2026年7月9日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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