ひとえきがたり

賢島(かしこじま)駅(三重県、近鉄志摩線)

志摩の玄関口 サミットに期待

観光特急「しまかぜ」が到着すると、夏休み中の家族連れでホームがにぎわった=8月下旬、三重県志摩市阿児町神明

観光特急「しまかぜ」が到着すると、夏休み中の家族連れでホームがにぎわった=8月下旬、三重県志摩市阿児町神明

  • 観光特急「しまかぜ」が到着すると、夏休み中の家族連れでホームがにぎわった=8月下旬、三重県志摩市阿児町神明
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 真珠の養殖いかだが浮かぶ英虞(あご)湾とリアス式海岸をもつ緑豊かな島。その写真の下に「伊勢志摩サミット2016」の文字が。そんな三重県作製のポスターが今夏、駅や島の商店に登場した。来年5月に開催される主要国首脳会議(サミット)の会場予定地、志摩市の賢島(かしこじま)だ。

 志摩半島を走る志摩線の終点。本州と島は、約20メートルの鉄道橋でつながっている。駅は周囲約7キロの島のほぼ中央にある。「朝、一番線ホームから海を眺めるのはいいものです。観光地の一日が始まるのを感じる」。賢島駅の印象をそう語るのは、鳥羽駅長の高森正浩さん(55)。高森さんは、志摩線全16駅と鳥羽線の2駅を管理している。

 1929(昭和4)年、志摩電気鉄道が全線開通し、無人島だった賢島に賢島駅と真珠港駅(69年に廃止)の2駅ができた。65年に近鉄が鉄道事業を引き継ぎ、リゾート地として発展した。

 駅前には、真珠店や土産物屋が並ぶ。70年代をピークに観光客は減少。真珠店「イワジン真珠」の岩城悟さん(35)は危機感を抱き、2012年に、島で働く20~30代の若者らで「賢島塾」の活動を始めた。駅前で、毎年夏祭りを開催するほか、花壇の手入れやトイレ清掃などに取り組んでいる。先月24日、同店で三重県知事、志摩市長と塾メンバー7人が意見交換をした。対談後、岩城さんは「サミット開催後も、島に何かを残せるよう頑張りたい」と話した。

文 小寺美保子撮影 桐本マチコ 

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 近鉄志摩線は、鳥羽駅(三重県鳥羽市)と賢島駅(志摩市)を結ぶ24.5キロ。

 賢島駅から徒歩2分の賢島港は、鉄道開通に合わせて整備された。英虞湾を巡る遊覧船・賢島エスパーニャクルーズが出ている。真珠養殖発祥の地とされる多徳島など、島々が点在する眺めが楽しめる。1周約50分。1600円、小学生800円。問い合わせは志摩マリンレジャー賢島営業所(0599・43・1023)。

 港を望む円山公園で、毎年10月22日、アコヤガイを供養する真珠祭を開催。問い合わせは神明真珠養殖漁業協同組合(0599・43・1010)。

 

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志摩観光ホテル

 志摩観光ホテルは、1951年開業のリゾートホテル。皇族や文化人が利用し、伊勢エビやアワビを使ったフレンチが有名。本館の「クラシック」は、改装のため休館中。2008年に新築した全室スイートルームの「ベイスイート」(写真、TEL0599・43・2111)は営業している。

(2015年9月8日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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