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美博ノート

「ロココ時代の宮廷衣装」

よそおいの200年(ヤマザキマザック美術館)

「ロココ時代の宮廷衣装」
左:1780~90年ごろ 右:1760年ごろ
いずれも神戸ファッション美術館蔵

 ファッションは時代を映す鏡だ――。本展では、そんな「装い」に着目しながら、17世紀後半~20世紀初頭のフランス絵画を関連資料とともに紹介する。

 ひときわ華やかなのは18世紀のロココ時代。荘厳で宗教的な既存芸術に代わり、華麗で自由奔放なスタイルが花開いた。

 当時の典型的な宮廷衣装を間近に見られる。男性貴族が着た「アビ・ア・ラ・フランセーズ」。アビ(上着)、ベスト、キュロットの三つぞろいで、2万時間をかけたという刺繍(ししゅう)に贅(ぜい)の極みを見る。ドレス「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」は、前開きのローブに細いウエスト、丸くふくらんだスカートが特徴。巨大な髪形は、ロココ後期のルイ16世時代の流行だ。

(2017年7月4日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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