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美博ノート

  • 穴窯の中で金色にゆらめく炎に焼かれているのは、仏教の経典を収めるための経筒。描いたのは、現在の愛知県碧南市出身の美術工芸家・藤井達吉(1881~1964)。七宝、染織、金工、和紙工芸、日本画などジャンルを横断して制作し、刺繡やアップリケを施したびょうぶなど先駆的な作品を生み出した。

    2024/02/07 更新


  • 千手 上部に描かれた白い形は骨か顔か、指で輪を作る仏の手のようにも見える。それをとりまく赤、黄、オレンジは命あるもののよう。岡本太郎(1911~96)が60年代、抽象的なモチーフで呪術的な世界観を描いた作品の一つだ。

    2024/01/31 更新


  • 吉祥文蒔絵振々香合 金色に輝く小づちのような六角柱の振々香合。珍しい形は江戸時代の玩具「ぶりぶり」に由来する。ひもを付けて木の球を打ったり、車輪を付けてひもで引いたりして遊んだという。

    2024/01/24 更新


  • 萬年報喜 老松の枝に止まっているカササギは喜びを告げる鳥。目は生き生きと輝き、開いたくちばしから吉報が聞こえてきそうだ。右下の花は不老長寿を意味するコウシンバラだろうか。

    2024/01/17 更新


  • 古清水扇面平鉢 末広がりの形が繁栄を表す扇は、初夢に見ると縁起が良い「一富士、二タカ、三なすび」に続いて「四扇」とも言われる吉祥の象徴だ。扇形の平鉢に松竹梅が描かれた本作はめでたさを強調する。

    2024/01/10 更新


  • 牧野富太郎書簡 ぜひ、地元の植物を採集、調査してくださいーー。植物分類学の父・牧野富太郎(1862~1957)が手紙でエールを送った相手は、愛知県西尾市で植物研究に打ち込んだ名倉誾一郎(1860~1930)。地元研究団体を率いながら、牧野に植物標本を送って指導を受けた。

    2023/12/20 更新


  • 日本高山植物図譜 ヨーロッパアルプスの高山植物図鑑にならい、日本の高山植物約600種を掲載した「日本高山植物図譜」。

    2023/12/13 更新


  • 本草図説 「本草図説」は195冊に及ぶ、江戸時代のカラー博物図鑑。市井の本草家・高木春山(?~1852)がただ一人で、20年以上かけて作成した。植物をはじめ魚、鳥、獣、虫、鉱物、自然現象にいたるまで万物を描いた精密な肉筆画に、見聞や書籍に基づいた解説が付く。

    2023/12/06 更新


  • 京都加茂川筋 川浚(かわざらえ)略図 河原にのぼりが林立し、そろいの衣装を着た大勢の人々が荷車を引く。一見すると祭りのようだが、荷車に積み込まれているのは土砂にみえる。

    2023/11/29 更新


  • 見世物 大虎 本作に描かれたトラは、1861年にオランダ人が横浜港に連れてきたという。眼光鋭く、鋭い爪の姿を描き、天竺(インド)生まれで身の丈「七尺」(2㍍超)、「立て」「回れ」などの芸ができるなどと記されている。

    2023/11/22 更新