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美博ノート

三姉妹

瀬戸市美術館「北川民次と久保貞次郎」

北川民次 1950年代 45×53センチ 真岡市蔵

 愛知県瀬戸市などで活動した洋画家・北川民次(1894~1989)は今年、生誕130年。今展では、親交のあった美術評論家・久保貞次郎(1909~96)が収集した北川の作品を中心に展示する。
 本作のモデルは、久保の子どもたち。「北川の作品には珍しく、鮮やかな色合いが特徴。温かみも感じられる」と、瀬戸市美術館学芸員の坊田智寿瑠さんは紹介する。
 2人の出会いは、メキシコで活動していた北川が帰国した1936年以後。作家仲間の紹介で知り合い、交流を深めた。
 芸術家の支援者でもあった久保は、才能を見いだした作家の作品を購入することで励ましたという。本作は、久保が栃木県真岡市に暮らした縁から市に寄贈された「久保コレクション」。前衛作家の瑛九や靉嘔(あいおう)、瀬戸市出身の画家竹田鎭三郎(しんざぶろう)ら89作家約1460点のうち、北川の作品は200点を超える。

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