読んでたのしい、当たってうれしい。

美博ノート

「高麗手茶碗 銘 雅茶子」

川喜田半泥子の遊び心 銘の達人(石水博物館)

「高麗手茶碗 銘 雅茶子」
昭和20年代

 「閑(か)く恋慕(れんぼ)」「猿のしり」「ぼたもち」など、親しみやすい銘(作品の名前)が付いた茶碗(ちゃわん)が並ぶ。
 作者の川喜田半泥子(かわきたはんでいし)(1878~1963)は、地方銀行の頭取として財界で活躍するかたわら、陶芸や書画などの分野で才能を発揮した。本展では、茶陶の常識にとらわれない遊び心あふれた茶碗を中心に、書画など50点を紹介する。
 おちゃめな一面を感じさせる作品の一つが、「雅茶子(がちゃこ) ト申します」と箱に書かれた本作。朝鮮王朝時代の割高台(わりこうだい)茶碗(東京・畠山記念館蔵)を模したとされる。大きめな高台の形や斑点の出た肌合いからゾウの足を連想したという半泥子。制作当時、東京などで人気だったゾウ・はな子のタイでの名前にちなんで名付けたそうだ。

(2017年2月28日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

美博ノートの新着記事

  • 朝の富士 白んだ空を明るい水色で、朝日を受けて輝く富士の頂の冠雪を黄色で、光に照らされた山体を黄土色で表現している。

  • 朝日  庭の植物や昆虫、カエルやネコなどを、鮮やかな色彩と輪郭線で描いた熊谷守一(1880~1977)。

  • ライフダンス No.1  人物の輪郭を表す線が画面を構成する形となり、四方八方へ広がっていく。

  • 立てる裸婦 アトリエに全く同じ構成でモデルや絨毯を配し、本作を描く小出楢重(1887~1931)の写真が残っている。

新着コラム